未曽有の新型コロナウイルスの影響をまず受けたのが、突然の一斉休校となった学校でした。
オンライン授業は教える側、教わる側、周りで支える側 それぞれが暗中模索の中始められ戸惑う日々であったと思います。
日常が非日常となり、ストレスを抱え悩む姿を伝えられることが多くありました。
「学校に登校すること」がどんなことであったか… その後のこども達の様子からも窺い知ることが出来ました。
文科省の学校施設の環境対策 「木の学校づくり」には、一日の大半を過ごす生活の場でもありそれにふさわしい豊かな環境として整備することが求められるとあります。
学校の器である施設整備はもちろんですが、一番は個々の机ではないかと思い取り組みたいと思いました。
リサーチ
① 都内私立小学校の机(小・中・高・大学の学校法人)
2020 年度パーテーションをオーダー作製する際に他校の中学・高等学校よりも大きなサイズの机だったためお伺いしたところ、
落ち着いて学習に取り組めるため余裕のある大きなサイズ、落ち着く木製の机を特注したとのこと。
サイズが大きいのは魅力の一つであることは間違いないと思うが、教室のキャパシティーを考慮するとサイズを大きくするのが難しいケースもある。
もう一つ、「木製」は素材として取り入れることはどんな机でも可能。
学校によりサイドにフックで手提げをかける等、使い勝手が違う点など、細かな仕様を対応出来たら快適さを高めることが可能。
②2015 年開校した学校の机(メーカー axona AICHI)
サイズは、天板 W650*450*22 ㎜
導入 5 年経過した現在、がたつきが気になることが多い
サイズは慣れてしまっているがもう少し大きいとノートを取りやすいを生徒の声
② 2011 年校舎新築した学校の当時の机 (KOKUYO)
現在はがたつきがかなりあり 4 割ほどが新しい机に入れ替えられている。
入替の机は廃盤などの影響で仕様がことなり引出し部分のサイズが違ってしまう学校ではロッカーを主に使用されているので影響がないのかもしれない。
オリジナル机のメリット
*コロナ禍に消費が落ちている地場の木材を使用し、大手メーカー品では出来ないメンテナンス対応を可能とする(SDGsの取り組み)。 生産終了=廃盤がない。
*天板には学校の校章を入れる、側面などにスクールカラーを入れるなど細かなリクエストに対応可能
*躯体は木製・スチール製等から選択可
*オリジナルのパーツ作製
例 1)取り外し可能の三角名札(図面参照)を置きこれはパーテーションや iPad 等 のスタンドになるだけでなく卒業後は写真立になる仕様にしている。
例 2)折り畳みで必要な時に拡張するエクステンション
例 2)天板のコーナー仕上げ
コーナーウレタン仕上げ
*地産地消の木材は東京都では、荒廃が進む森林の活性化、地球温暖化防止から間伐材を含む多摩木材を活用しており上野公園の路舗装にも使用している
今回の天板も静岡だけでなく多摩木材の調達も可能としている 画像は上野公園掲示板
間伐材を利用することは、森林資源の保全や循環型社会の構築といった今日的課題について学習する身近な教材ともなる。
*他校との差別化
・ほとんどの学校が天板をメラミン化粧板の机を使用しているが木製(無垢)により重厚感温かみがある
・学校(教室や環境)に合わせた天板・躯体・いすの色にオーダー可能
色見や仕上げは豊富なバリエーションから選択
日常の学校生活の中で、使用する机は、学習形態などと密接な関係があるとされている。
木がもつ天然の美しさや温かさは自分が使用する机・自分の名札に対する愛着が生まれる。
また「安らぎや落ち着き」などを得ることができる。手触りの感触がよく、木目が目にやさしいなど、五感できの良さを感じることができる。
選ぶ色目により、教室全体の雰囲気を変えることが可能で落ち着いた環境や明るい教室を形成することができる。
【机(木の天板)がもたらすこと】 文科省の木の学校参考
*接触感
寒い冬に気に触ると、一瞬冷たく感じるがすぐになじんでくる。
また夏にはスチールの机などでは机と接触している肌が汗でべとついて不快になるが、木製机ではべとつき感は起きない。
*嗅覚への効果
一般に木の香りは気持ちを静め、気分を爽快にさせる傾向のあることが実験の結果からも明らかにされてきている。